「ロゴが古くなってきた気がするが、どこから手をつければいいかわからない」「チラシやバナーのデザインが時代遅れに感じるが、リニューアルするタイミングの判断が難しい」という方は多いのではないでしょうか。
デザインのリニューアルは、新規制作と異なり「現状の把握」と「変える部分・残す部分の見極め」が重要です。やみくもに一新してしまうと、既存顧客に違和感を与えたり、ブランドの連続性が失われたりするリスクがあります。
この記事では、デザインリニューアルを外注で進める際の手順・ポイント・よくある失敗と回避策を解説します。
デザインリニューアルが必要なタイミング
デザインのリニューアルは「なんとなく古い気がする」という感覚だけで判断するより、具体的な状況に照らし合わせて判断する方がスムーズに進みます。以下のような状況が当てはまる場合は、リニューアルを検討するタイミングといえます。
ブランドイメージと実態がずれてきた
事業内容・ターゲット層・提供価値が変化したにもかかわらず、デザインが創業当時のままになっているケースです。「高品質な商品を扱っているのに、デザインが安っぽく見える」「若い世代に訴求したいのに、デザインが古い印象を与えている」といった状況がこれに当たります。
競合と差別化できなくなってきた
同業他社が次々とデザインをリニューアルする中で、自社のデザインが埋没してしまっているケースです。業界内での視認性・独自性を取り戻すためのリニューアルが有効な状況です。
デザインの一貫性が失われてきた
長年の運用の中で、バナー・チラシ・SNS画像・名刺などのデザインがバラバラになってしまっているケースです。担当者が変わるたびにデザインが変化し、ブランドとしての統一感が失われている場合は、リニューアルを機にデザインガイドラインを整備することが有効です。
時代のトレンドから大きく外れてきた
デザインのトレンドは数年単位で変化します。10年以上前に制作したロゴや販促物は、現代の基準では古く感じられることがあります。ただし「トレンドに合わせる」ことだけを目的にすると、数年後に再び陳腐化するリスクがあるため、ブランドの方向性と合わせて判断することが重要です。
リニューアルの範囲を決める
全面リニューアルか、部分的な改善か
デザインリニューアルには「全面的に一新する」ものと「一部を改善する」ものがあります。どちらが適しているかは、現状の課題と予算によって判断します。
全面リニューアルが向いているケース
- ブランドの方向性そのものが変わった
- ロゴを含めてデザインの基盤から見直したい
- 創業から長期間、一度もリニューアルしていない
部分的な改善が向いているケース
- ロゴは変えずに、販促物のデザインを現代的にしたい
- 特定の媒体(Webバナーのみ、チラシのみ)だけ改善したい
- 予算を抑えながら段階的に改善したい
制作物ごとの優先順位の付け方
すべての制作物を一度にリニューアルするのが理想ですが、予算・時間の制約がある場合は優先順位をつけることが重要です。以下の観点で優先順位を整理してみましょう。
- 顧客との接触頻度が高い制作物を優先する(Webサイト・SNS・名刺など)
- 既存のデザインが課題に直結している制作物を優先する
- 他の制作物への影響が大きいものから着手する(ロゴをリニューアルすると、他の制作物への展開が必要になる)
デザインリニューアルを外注で進める手順
ステップ1:現状の棚卸しと課題の言語化
リニューアルを外注する前に、まず現状のデザインの課題を自社内で整理しておくことが重要です。「なんとなく古い」ではなく、「ターゲットが30代女性に変わったのに、現状のデザインは50代向けの印象が強い」のように具体的に言語化することで、デザイナーへの依頼精度が上がります。
整理しておくと良い項目は以下の通りです。
- 現状のデザインの何が課題か
- リニューアル後にどういう印象・イメージを持ってほしいか
- 変えたい部分・残したい部分
- リニューアルの背景(事業変化・ターゲット変更など)
ステップ2:目指す方向性・ゴールの設定
「リニューアル後にどうなっていたいか」というゴールを設定します。参考にしたいブランド・デザインの事例を複数集めておくと、デザイナーとの認識合わせがスムーズになります。
ステップ3:依頼先の選定
リニューアルの範囲・予算・求める品質に応じて依頼先を選びます。ロゴなどブランドの核となる制作物のリニューアルは、実績と専門性が明確なフリーランスまたは制作会社への依頼が安心です。
ステップ4:既存デザインの引き継ぎ方
リニューアルを依頼する際は、現状のデザインデータ(ロゴのaiデータ・既存バナーのpsdデータなど)を提供しましょう。「現状からどこをどう変えたいか」を既存データと合わせて伝えることで、デザイナーが変更の意図を正確に把握できます。
既存データが手元にない場合は、その旨を早めに伝えることが重要です。データが揃っていないと制作工数が増え、費用・納期に影響します。
ステップ5:制作・確認・リリース
リニューアルの制作中は、途中段階での確認を丁寧に行うことが重要です。特にロゴのリニューアルは、完成後に「やっぱり以前の方が良かった」となっても取り戻しにくいため、初稿・修正稿の段階で関係者全員の確認を取っておきましょう。
リリース後は、既存の制作物(名刺・チラシ・バナー・SNS画像など)への展開スケジュールも合わせて計画しておくとスムーズです。
リニューアル外注時に準備すべきこと
1. 現状のデザインデータを揃える ロゴのaiデータ・既存バナーのpsdデータなど、現状のデザインデータをできる限り揃えておきましょう。データが揃っているほど、デザイナーが現状を正確に把握した上で提案できます。
2. ブランドガイドライン・使用ルールをまとめる 既存のブランドカラー・使用フォント・ロゴの使用ルールがある場合は、まとめて共有しましょう。ガイドラインがない場合は、リニューアルを機に整備することを検討するのもおすすめです。
3. 変える部分・残す部分を明確にする 「ロゴのシンボルマークは残して、ロゴタイプ(文字部分)だけ変えたい」「配色は変えずにフォントだけ現代的にしたい」など、変更の範囲を明確にしておくことで、デザイナーも提案の方向性を絞りやすくなります。
4. リニューアル後の展開先を整理する リニューアルしたデザインをどの媒体に展開する予定かを整理しておきましょう。Webのみなのか、印刷物にも使うのかによって、納品データの形式や解像度の要件が変わります。
よくある失敗と回避策
現状の課題を整理せずにリニューアルした
「とにかく新しくしたい」という気持ちだけでリニューアルを進めると、デザイナーへの指示が曖昧になり、何度も方向性の修正が発生します。リニューアルの目的・課題・ゴールを事前に言語化することが、スムーズな制作の前提条件です。
変える部分と残す部分の基準がなかった
リニューアルの過程で「やっぱりここも変えたい」「この部分は残してほしかった」という追加変更が発生し、制作が長期化するケースがあります。着手前に「変える部分・残す部分」の基準を関係者全員で合意しておくことが重要です。
既存データ・ガイドラインを引き継がなかった
現状のデザインデータや使用ルールを共有せずに依頼した結果、デザイナーが既存のブランドトーンを把握できず、リニューアル前後の連続性が失われてしまうケースがあります。既存データは積極的に共有しましょう。
まとめ
デザインリニューアルを外注でスムーズに進めるには、制作を始める前の準備が最も重要です。
- リニューアルのタイミング: ブランドと実態のズレ・競合との差別化・デザインの一貫性の喪失が主なサイン
- 範囲の決め方: 全面リニューアルか部分改善かを、課題と予算に応じて判断する
- 進める手順: 現状の棚卸し→ゴール設定→依頼先選定→既存データの引き継ぎ→制作・確認・リリース
- 準備すべきこと: 現状データの整備・変える部分と残す部分の明確化・展開先の整理
リニューアルは「変えること」が目的ではなく、「ブランドをより良く伝えるための手段」です。目的を明確にした上で、段階的に進めていきましょう。