バナー制作を外注したものの、
「思っていたデザインと違う」「修正が何度も続いた」
といった経験はありませんか?
こうしたトラブルの多くは、デザインの質の問題ではありません。
発注後の「やりとりのすれ違い」や「認識のズレ」が原因であることがほとんどです。
デザイナーとして多くの制作案件に関わり、またクリクルを通じて様々な依頼を受けてきた経験から言えることがあります。失敗する案件には、ほぼ共通したパターンがあるということです。
この記事では、そのパターンをもとに失敗への対策をチェックリスト形式でまとめました。
バナー制作でよくある失敗、3つのパターン
まず、現場でよく見る失敗を整理します。
失敗① イメージと違うデザインになった
最も多いパターンです。
「シンプルでおしゃれな感じ」と伝えたつもりでも、デザイナーによって解釈はまったく異なります。
言葉だけでビジュアルを共有しようとすると、必ずズレが生まれます。
失敗② 修正が多くなり、時間とコストが膨らんだ
「テキストはあとで」「サイズは後から決める」——こうした後出しの情報が、修正を増やす最大の原因です。
修正のたびに工数が発生し、納期もコストも当初の想定を超えていきます。
失敗③ 使えないバナーが納品された
掲載媒体のサイズや仕様を伝えていなかったために、実際には使えないバナーが上がってくるケースです。
「作り直し」になると、最初から時間もお金もかかり直しになります。
失敗を防ぐ発注チェックリスト10選
上記の失敗には、それぞれ防げるポイントがあります。
依頼前に以下を確認してください。
① 目的を言葉で説明できるか
「クリックを増やしたい」「認知を広げたい」——目的によってデザインの方向性はまったく変わります。
ただし例外があって、長期的に一緒に仕事をしているデザイナーや、サブスクサービスのように継続的なやりとりの中で信頼関係が築けている相手であれば、「いい感じに」でも意図が伝わることがあります。お互いのブランド観や好みが蓄積されているからです。
一方、初回や単発の依頼でこれをやると、ほぼ確実にすれ違います。
② ターゲットを具体的に設定できているか
「30代女性・美容に関心がある層」のように絞れているほど、デザイナーが判断しやすくなります。「幅広い人向け」は誰にも刺さらないデザインになりがちです
③ 掲載媒体を伝えているか
Instagram・Googleディスプレイ・自社LPなど、媒体によって見せ方が変わります。後から追加になるとほぼ作り直しです。
④ バナーサイズを指定しているか
300×250、1080×1080など、ピクセル単位で伝えてください。「いい感じのサイズで」は通じません。
⑤ 掲載テキストが確定しているか
テキストの後出しは、修正が増える最大の原因のひとつです。キャッチコピー・ボタンテキスト・注記まで、依頼時点で確定させてください。
実際に経験した案件で、テキストが3回変更になり、修正が最終的に7回に膨らんだことがあります。最初から決まっていれば、2回で終わっていたはずです。
⑥ 使用する素材が揃っているか
商品画像・ロゴ・人物写真などは、高解像度のものを用意してください。素材の質がそのまま仕上がりの限界になります。どれだけデザインで工夫しても、低解像度の素材は超えられません。
⑦ 参考イメージを3点以上用意できているか
言葉よりも画像の方が、圧倒的に正確に伝わります。ただし選び方に注意が必要で、「自分の好きなデザイン」ではなく「このバナーの目的に近いデザイン」で選んでください。
「デザインは気に入ったけど成果が出なかった」という事例を複数見てきましたが、参考イメージが好みの軸だけで選ばれていたケースがほとんどでした。NGデザインを共有することも、認識ズレを防ぐうえで非常に有効です。
⑧ ブランドルール(色・フォント・NGデザイン)を伝えているか
特に企業案件では必須です。NGデザインの共有は見落とされがちですが、これがないと「なんか違う」が解消されないまま修正ループに入ります。
⑨ 納期を明確に伝えているか
「いつまでに必要か」を伝えないと、優先度が下がります。余裕をもって依頼するほど、クオリティも上がりやすくなります。
⑩ 修正の条件を確認しているか
修正回数・対応範囲は、後から揉めやすいポイントです。依頼前に確認しておくことで、余計なトラブルを防げます。
準備不足も、失敗の大きな原因のひとつ
チェックリストの①〜⑧に共通するのは、依頼前の情報整理ができているかどうかです。
「目的が曖昧なまま進んだ案件では、修正回数が通常の3倍以上になった」——これは現場での実体験です。準備の段階で防げる失敗は、思っている以上に多くあります。
依頼前に何を準備すべきか、具体的に知りたい方はこちらも参考にしてください。
まとめ
バナー制作の失敗は、センスや予算の問題ではなく情報の具体性の問題です。
「なんとなく依頼する」から「意図を持って依頼する」に変えるだけで、仕上がりのクオリティも修正の回数も大きく変わります。今回のチェックリストを、次の依頼前にぜひ一度見返してみてください。